大田堯(昨年末101歳で逝去)の、人間いのちの根幹を指摘する言葉に深く耳を傾けたい。
「統合失調症の人は、・・・生命のいわゆる内向き(自己中心)、外向き(他者依存)という根源的な矛盾に、「折り合いをつける」ことを大きな苦手とする人たちだと想像しています。つまり自分が見えなくなって、自分を見つけるのに終始苦労して、悩みぬいている人たちで、私のいう情報代謝の循環機能がスムーズに働かない状態だと思います。
私自身も同じ人間として、「内」と「外」の「折り合い」をつけかねて、しばしば統合失調を体験する一人であると自覚させてもらいました。」
『大田堯自撰集成4 ひとなる 教育を通しての人間研究』2014年 p.21-22「生命から教育を考える」より